#MeToo告発女優アーシア・アルジェント 少年への性的暴行疑惑が浮上

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ハリウッドの#MeTooムーブメントの急先鋒として活動してきたイタリア人女優、アーシア・アルジェント(Asia Argento)さんが、当時17歳の俳優でロック歌手のジミー・ベネット(Jimmy Bennett)さんをホテルに誘い、性的暴行を働いた疑惑が浮上している。

アルジェントさんは、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)被告からセクハラや性的暴行の被害を受けたとして、昨年10月にタイムズの紙面で告発した最初の13人の女性のうちの1人だ。

その後もカンヌ国際映画祭などでスピーチを行うなど、#MeTooムーブメントを牽引するリーダーであり、今年6月に自殺で亡くなったセレブシェフ故アンソニー・ボーデイン(Anthony Bourdain)氏の恋人としても知られており、今回の報道に衝撃が広がっている。

疑惑報道の詳細

19日(日)のニューヨークタイムズによると、アルジェントさんは、2013年にカリフォルニア州マリーナデルレイ(Marina del Rey)のリッツカールトンで、当時17歳のベネットさんに対して性的暴行を働いた。今年、その口止め料として4000万円を超える和解金を支払ったという。カリフォルニア州では、性行為の同意年齢は18歳とされている。

タイムズ宛に匿名で送付された書類の中には、損害賠償を訴える通知や、当時37歳のアルジェントさんと17歳のベネットさんがベッドの上で撮影した2013年5月23日付のセルフィー写真が含まれている。
2人は、2004米公開の映画「サラ、いつわりの祈り」(The Heart Is Deceitful Above All Things)で親子役として共演している。

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書面には、彼女がベネットさんに飲酒を進め、その後キスし、ベッドに押し倒した後、ズボンを脱がせ、オーラルセックスをしたことや、その後、性交渉を強要したことなどが記述されている。
この時の暴行による精神的苦痛や、トラウマによる仕事の減少など、ベネットさんのキャリアに損害を与えたとして、損賠賠償350万ドル(約3.85億円)を求め、提訴する構えだと述べている。
アルジェンさんはベネットさんの代理人に38万ドル(約4,180万円)の和解金を支払うことで合意に達し、2018年の4月に支払いが完了したという。

提訴を意図する通知書は、アルジェントさんが昨年10月にニューヨークタイムズの紙面でワインスタイン容疑者を告発した翌11月に送付された。通知は、アルジェントさんの顧問弁護士リチャード・ホーフシュテッター(Richard Hofstetter)氏が受け取ったという。当時、ホーフシュテッター氏は、ボーデイン氏の長期顧問弁護士を務めていた。

タイムズによると、今回の報道に際し、アルジェントさんと代理人のキャリー・ゴールドバーグ(Carrie Goldberg)氏に取材を行っているが、両者からコメントは得られていない。

当局も捜査

この報道を受け、現在カリフォルニア州の保安局が調査を行っている。20日、ロサンゼルス郡保安局(Los Angeles County Sheriff’s Department)ダーレン・ハリス所長は、アルジェントさんの件に関して、具体的な被害の申し立ての報告は受理していないが、犯罪化する可能性のある行為を書面化するために、ベネットさんと代理人に対してコンタクトをするとタイムズに述べた。

今回の事件に関する声

彼女は偽善者だという非難や、この件で#MeTooムーブメントを終了させてはならないという声が寄せられている。

ワインスタイン被告の代理人、ベンジャミン・ブラフマン(Benjamin Brafman)弁護士は、「完全に2面性のある彼女の行動は、非常に特異なものだ。ワインスタイン氏への申し立て内容についても、十分に審議されたものか、根本的に不誠実さに基づく非難ではなく、正当なプロセスを経るよう一時停止すべきだ。」との声明を発表した。
現在、ニューヨークで第1級レイプなど6件の性的暴行容疑で起訴されているワインスタイン被告は、被害者との性的関係は合意の上だったとして、全ての訴えに関して無罪を主張している。6件の容疑の中には、アルジェントさんの訴えは含まれていない。

#MeTooムーブメントの創始者であり、何十年も活動を続けているタラナ・バーク(Tarana Burke)さんは、今回の件で、このムーブメントを失敗に終わらせようとする人もいるだろうが、そうはさせない。普遍的な側面にフォーカスすべきだと述べた。
また、告発したベネットさんの勇気を讃え、#metooMVMTは我々すべてのものだと一連のツイッターで述べた。

活動のリーダーの中心人物や、ローズ・マッゴーワン(Rose McGowan)さんや、アンバー・タンブリン(Amber Tamblyn)さんもアルジェントさんの一件とは、距離を置く姿勢を見せ、今後も活動は継続するとしている。

ロザンナ・アークエット(Rosanna Arquette)さんは、このタイミングでアルジェントさんの記事を掲載したことへの疑問を呈し、#MeTooへの活動を支持した。

報道から2日後、沈黙を続けていたアルジェントさんは、少年と性的関係を持ったことは一度もないと報道を否定。和解金は、当時のボーイフレンド故アンソニー・ボーデイン氏によって支払われたと声明を発表した。

#MeToo女優アルジェントさん NYタイムズ報道を完全否定

疑惑を否定した翌日、TMZはホテルでの2人のセルフィーと、アルジェントが性的関係があったことを認めているテキストを公開した。

アーシア・アルジェント 17歳少年とのベット写真流出