第95回アカデミー賞授賞式でプレゼンテーター役を務めた英俳優ヒュー・グラント。授賞式を前に、レッドカーペットでモデルのアシュリー・グラハムからインタビューを受けたが、そっけない受け答えが「無礼すぎる」として、批判の声が上がった。
NBCユニバーサルのエグゼクティブ、マイク・シングトンはSNSで動画をシェアし、「最もギクシャクしていて、痛々しいインタビュー」とする一方、アシュリーはプロとして振る舞ったと賞賛した。
Hugh Grant steps forward to be interviewed at the Oscars, then gives most awkward, painful interview ever. Kudos to Ashley Graham for trying to get him to talk and being a pro. pic.twitter.com/LUpWssAHqw
— Mike Sington (@MikeSington) March 13, 2023
アシュリーがヒューに「オスカーでの参加で大好きなことは?」と尋ねると、「うーん。魅力的なところ。全ての人が集まってる。まさに”バニティ・フェア”だ」と答えた。
ヒューは、ウィリアム・サッカレーの古典文学「虚栄の市」(Vanity Fair)になぞらえたが、アシュリーは、授賞式後に開催されるバニティ・フェア誌のパーティだと思ったようで、「みんな羽を伸ばして、楽しんでいるわね」と返した。
その後も2人の会話は噛み合わず、「誰かを応援していますか?」「(少し考えた後)特に誰も」「今日は何を着ているの?」「自分のスーツだよ」「誰が作ったの?」「覚えていないな。自身の仕立て屋かな」など、ヒューはそっけない回答を続けた。
なんとか場を盛り上げようと、昨年公開された「ナイブズ・アウト」の続編「グラス・オニオン」は素晴らしかったと感想を伝えたアシュリーに、「ほとんど出てないよ。わずか3秒ほどだ」など、にべもない返事をした。
2人のやり取りを見たネットユーザーは、「そんなにイジメる必要ない」(ライターのレベッカ・キャロル)「嫌ならインタビューを受けなきゃいいじゃないか。面白い話を引き出そうとしたアシュリーは素晴らしい」(#OscarsSoWhiteのクリエイター、エープリル・レイン)などと非難の声が上がった。
一方、英国からは、英国人が米国文化に毒されていないことを証明したとして「アメリカ人は彼を無礼だと思うだろうが、イギリス人は彼はフェイクではなかったと思っている」とヒューを擁護する意見も投稿されている。
ニューヨークポスト紙のコラムニスト、キルスティン・フレミングは、雑誌ニューヨーカーの記事を引用し、米国の大学で文学を専攻する学生が過去10年で17%減少していると述べたうえで、2人の食い違いは「われわれの大衆文化における知的好奇心の欠如」と暗に教養の違いを指摘した。

アシュリーは13日、ロサンゼルス国際空港で、TMZからレッドカーペットでの会話について尋ねられると、「母から、悪意には善意で返しなさいと言われてきた」と述べつつ、「とっても楽しんだわ」と返答した。