ガスコンロは「認知能力の低下に関連」米議員の発言に非難

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民主党の若手左派アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(ニューヨーク州)が、ガスコンロの使用が「認知能力の低下と関係している」と主張したことに対して、保守派から反発の声が上がった。

ブルームバーグは9日、米政府がガスコンロの禁止を検討していると報じた。コンロから放出されるガスと健康被害の関連が指摘されており、CPSC(米消費者製品安全委員会)のトップ、リチャード・トルムカ・ジュニア委員長は、同サイトのインタビューで、安全性の確保できない製品を規制する可能性を示唆している。

トランプ派のロニー・ジャクソン下院議員(テキサス・共和党)が「ガスコンロは絶対にやめない」とツイートすると、コルテス氏はこれを引用する形で、「ガスコンロから放出される二酸化窒素ガスへの継続的な暴露が、認知能力の低下と関連があるのを知ってますか」と投稿した。

この主張に対し、あるユーザーは、コルテス氏やカマラ・ハリス副大統領が自宅でガスコンロを使用している写真を加え、「あなたは正しい」と皮肉をツイートした。

別のユーザーは「オーバートン・ウィンドウ(大衆に受け入れられる公共政策)を、さらに左に動かす企みだ」と批判。このほかにも「まるで広告のような発言だな」「どこかの企業が金を払って、それを言わせている」など勘繰る声も投稿されている。

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なお、米国の家庭の約40%が、ガスコンロを使用しているとされ、アメリカ化学会などの研究では、ガスコンロから、呼吸器疾患や心血管疾患、がん、その他の健康被害に関連しうるレベルの二酸化窒素や一酸化炭素、微粒子物質など大気汚染物質が放出されているという。

一律的な規制に反対する声も上がっている。家電製造業者協会のジル・ノティーニ副会長は、特定の調理器具を禁止するのではなく、室内換気について議論すべきだと主張している。

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は10日に行った施政方針演説の中で、2025年までに、新規に建設する小規模住宅で(大規模建物は2028年まで)、ガスコンロを含む化石燃料を使用したインフラを禁止する法案を発表した。

これに対し、飲食業界や住民の一部からは反発の声が寄せらている。ニューヨークポスト紙によると、レストラン経営者らから「40-50分の調理時間が2時間になる」「業界に壊滅的なダメージを与える」などといった懸念が寄せられている。

飲食店を代表するNYCホスピタリティーアライアンスのアンドリュ・リジー氏は同紙に「開業コストは急増し、建物への電気負荷も問題となる可能性がある」と指摘した。さらに一般人からも、ハリケーンでの経験から「停電時に頼れるのは、ガスコンロだ」といった声も上がっている。