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大麻で五輪出場禁止は「人種差別」?反ドーピング機関が反論

民主党左派の若手急先鋒、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス米下院議員が、マリファナを使用した米陸上選手に対する五輪出場資格の停止処分は人種差別で、非科学的だとして再考を求めた件について、米国および世界反ドーピング機関がそれぞれ書簡で反論した。

先月の米代表選考会の100m走で優勝した陸上女子短距離のホープだったシャカリ・リチャードソン(Sha’Carri Richardson)選手(21)は、試合後の薬物検査でマリファナの陽性反応を示し、1カ月間の大会出場停止処分を受けた上、東京五輪の出場資格も剥奪された。

オカシオ・コルテス議員は今月初め、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)および米国アンチ・ドーピング機関(USADA)の双方に書簡を提出。「人種差別的で、植民地時代の方針だ」と抗議し、処分を見直すよう訴えた。さらにツイッターでも「彼らの決断は科学的根拠に欠ける。反マリファナを訴え続けてきた人種差別主義のみに基づく考え方だ」と両機関を非難した。

これに対して、USADAのCEO、トラヴィス・ティガード(Travis Tygart)氏は、「マリファナにパフォーマンス促進効果がないという主張は、アスリートのコミュニティとドーピング科学者双方に広く受け入れられているものではない」と指摘。「科学的文献でも報告され、アスリートの間でも知られていることだが、マリファナには不安や恐れ、うつ状態、緊張感を緩和する効果があり、そのためプレッシャーの中で闘うアスリートのパフォーマンスを促進し、競技前や競技中のストレスを一時的に和らげる」と述べた。

リチャードソン選手は、NBCのインタビューで、選考会前に母親が死去し「パニック状態になっていた」ため、マリファナを使用したことを自ら明かしている。

ティガード氏はさらに、競技中のマリファナ使用がどのような結果を招くか、対面による複数回の講義を通じて、リチャードソン選手に説明していたと明かした。

WADAのウィトルド・バンカ(Witold Banka)会長は、選手がマリファナを禁止されるのは競技中のみだと強調した上で、科学と医療専門家が、マリファナは禁止薬物の基準を満たしていると決定していると説明。オカシオ・コルテス議員が世界のマリファナ合法化の流れを指摘した点については、禁止薬物リストは国際規則で、各国政府の規則の広大な多様性と、国際麻薬条約を考慮したものでなければならないと述べた。

一方、規則の責任を巡って、両機関が互いを批判する部分も見られた。

USADAのティガード氏は、マリファナ使用の規則はより「柔軟で公平」であるべきだと、WADAに継続的に唱えてきたと説明。単独では規則を変更できないと述べた。

WADAのバンカ会長は「むしろ米国こそ、カナビノイド(マリファナに含まれる成分)を禁止薬物リストに含めることに積極的だった」と指摘。「過去20年間、特にUSADAは、会議の席でも書簡でも一貫してカナビノイドのリスト入りを強く支持していた」と説明した。WADAは、禁止薬物リストの作成と公開に関して、調整の役割を果たしているに過ぎないと述べた。

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