米アマゾン パーラーのホスティング停止へ

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米アマゾンは、Parler(パーラー)に対するホスティングサービスを停止することを決定した。米複数メディアが伝えた。

パーラーはツイッターに類似したソーシャルネットワークサービス。フリースピーチを謡い文句としており、トランプ支持者の間で人気が高いことで知られる。ツイッターがトランプ氏のアカウントを凍結した8日、アップルのApp Storeの国内ダウンロード数は前日比で355%上昇し、ダウンロード数が1位になったと報じられていた。

CNBCによると、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は9日、パーラーに対して、日曜日の午後11:59分(太平洋標準時)にクラウドサービスを停止することを伝えた。

AWSのトラスト・アンド・セーフティ・チームは、パーラーのポリシー担当エイミー・ペリコフ氏に、プラットフォームが「暴力的コンテンツ」を継続的にホストしており、AWSの利用規約に違反していると通達。パーラーのコンテンツモデレーションは不十分で、結果として「パーラーのアカウント」停止を決定したと伝えたという。

前日、グーグルがGoogle Playストアにおけるアプリの登録を停止すると発表した。さらにアップルも9日、App Storeからパーラーのアプリを削除した。

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AWSはパーラーに対するメールの中で、「明らかに暴力を推奨し、扇動する」98件の投稿を提示したという。この中には、リベラル指導者やリベラル活動家、ブラック・ライブズ・マター指導者などに向けた暴力の予告が含まれていた。またCNBCが審査したアプリのスクリーンショットには、銃殺隊に言及するものや、大統領就任式に武器を持参するよう呼びかける投稿があったという。

パーラーのジョン・メイツ(John Matze)最高経営責任者は投稿で、このような事態に備えて、アマゾンのインフラ仕様に頼らないよう準備をしていたと述べつつ、「一から再構築する間、最大で1週間利用できない可能性がある」と発表。さらに、一連の措置は、市場から競合を締め出すためのテックジャイアントによる協調的な攻撃と批判した。

メイツ氏はその後の投稿で、月曜正午までには完全に再開すると発表。「彼らは勝つことはない。われわれはフリースピーチとフリーインフォメーションの世界の最後の希望だ」と述べ、「この戦いに勝利するために、火曜日に全員に戻ってきてもらう必要がある」とユーザーに呼びかけた。

パーラーは2018年に、ネバダ州のソフトウエアエンジニア、ジョン・メイツ氏とジャレッド・トムソン(Jared Thomson)氏が設立した。名前はフランス語で「話す」を意味する。ワシントンポスト紙によると、コンテンツ規制は、一般的に「コミュニティ審査員システム」を採用し、訓練を受けたボランティアが投票によって、サイトのルールに違反しているかどうかを決定することを許可している。ガイドラインでは「暴力の使用を明示的または暗示的に推奨」するものや違法行為を除いて、ユーザーの自己責任の考えを元に、削除は「最小値」に抑えること約束しているという。

なお、パーラーの共同創設者には、右派メディアのブライトバートやケンブリッジ・アナリティカのインベスターで、トランプ氏の大型ドナーで知られるロバート・マーサー氏の娘レベッカ氏(Rebekah Mercer)が加わっている。