NY市がアマゾン第2本社を誘致 ライトアップショーでラブコール

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18日夜、ニューヨーク市は、エンパイアステートビルディング、ワンワールドトレードセンター、ブルームバーグ・タワー、ブライアントパークやTimes Squareの建物のライトや、 タイムズスクエアのビルボード、WIFIスポットのLinkNYCのスクリーンをオレンジ色に点灯した。

これは、米アマゾン社が先月よりスタートした第2本社建設候補地の募集にアピールするための活動で、ニューヨーク市は19日の締め切りの前日に応募書類の提出を完了した。ちなみに、オレンジ色はアマゾンのコーポレートカラーで、上空からもマンハッタンがオレンジ色になっているのがわかる。

9月米アマゾンは、事業拡大による第2本社の設立計画を発表。それに伴い、建設先となる都市の募集を開始した。同社の発表によると、ワシントン州シアトルにある本社と同等の機能を有するもので、設立に伴う総投資額は50億ドルを予定し、5万人の雇用を創出するという。

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また、建設候補地に求める具体的な基準は、「100万人以上の人口を有する都市圏」、「安定し、ビジネスに適する環境」「潜在的に、優れた技術者を引き寄せ、つなぎ止められる都市または郊外」「場所や不動産の選択について、大きく創造的に考えるコミュニティ」となっている。

応募期間の締め切りは19日まで、NYタイムズによると、ニューヨークの他にシカゴやニュージャージーのニューアーク、カナダのトロントなど米国以外を含め、約50の都市が名乗りを上げているという。ニュージャージーは、70億ドル(約7700億円)の助成金を提案するなど、激しい競争が繰り広げられている。

ニューヨークに建設するならどのエリア?

ニューヨーク市は、建設予定エリアとして、現在大規模な開発が行なわれているマンハッタン西側のハドソンヤードや、ローワーマンハッタン、クイーンズのロングアイランドシティー、ブルックリン(ダウンタウン、ネイビーヤード、ダンボ)を提案しているという。また、ガバナーズアイランドも使用可能としている。

ビル・デブラシオNY市長は、「私たちの街は、商業、カルチャー、革新性において、グローバルな都市です。 これほど多くの才能が集まり、多様性に富んでいて、 ダイナミックな経済のある都市はニューヨーク以外にありません。私たちは、今回入札のために一致団結してくれた機関や、ビジネス、市民のリーダーたちのサポートを得て、今日のライトアップのショーを迎えることとなりました。」と声明で発表し、「(CEOの)ジェフ・ベゾスは、シアトルからテレスコープを使って、ニューヨークのスカイラインを見て、いいじゃないか、と言ってくれるでしょう。」と第2本社入札への自信をのぞかせた。

ニューヨーク市経済開発公社(city Economic Development Corporation 、EDC)のスポークスマンによると、誘致にあたり、先月までに40以上の組織や団体より、20数件以上のアイデアを受け取ったという。

「アマゾンは5つ星レビューのNYCをカートに入れるべき」という内容の、PRビデオも作成された。

また市とは別に、ニューヨーク州のクオモ知事もウエスタンニューヨークや、フィンガーレイクスなどを提案している。

反対する団体も

地元メディアGothamnistによると、「Make the Road New York」などの25のコミュニティグループからは、反対の声も上がっている。出市庁舎前で集会が開催され、「ウォルーマートをNYにオープンさせないように活動していた市長が、アマゾンにレッドカーペットを差し出すなんて。」という失望の声も上がったという。

アナリストの予想は?

格付け会社、ムーディーズ(Moody’s)のエコノミストらによる分析によると、テキサスのオースティン、フィラデルフィアなどが有力で、NYCは6位だという。またエリアは東海岸の北東部になるだろうと予測。

また、ブルームバーグのコラムニストは、アマゾンが要求する条件を満たすのは、トロント、ボストン、ワシントン、アトランタ、ダラス、デンバーくらいと指摘している。

アマゾンは、12月25日までに候補地のリストを出し、翌年レビューをしていくとみられている。