ニューヨーク州14区(クイーンズ・ブロンクス)のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)氏(29)は開票の結果、78%の票を獲得。共和党候補のアンソニー・パパス(Anthony Pappas)氏を破り、初当選を果たした。コルテス氏は来年、史上最年少の下院議員として、ワシントン入りする。
コルテス氏はクイーンズの会場で「70%が有色人種を占め、半数が移民、圧倒的に労働者階級の人々が多い地区を代表する、初めての有色人種の候補者だ。」と勝利宣言を行った。
アレクサンドリア・オカシオ・コルテスとは
ブロンクス生まれのコルテス氏は、6月に行われた民主党予備選で、10期を務めるジョー・クローリー(Joe Crowley)下院議員を破り、全米にその名を知らしめた。
ボストン大学で経済と国際関係を学び、学生時代にはリベラルの雄とも言われるテッド・ケネディ(Ted Kennedy)上院議員の元で働いた経験を持つ。
2016年の大統領選では、民主党予備選で大統領候補として立候補したバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員の選挙キャンペーンスタッフとして参加。同年、石油パイプラインの「ダコダ・アクセス・パイプライン」建設に関する抗議活動を行っていた時に、振興の政治団体Brand New Congressから、出馬を持ちかけられたことがきっかけで、選挙に立候補することとなった。
プエルトリコ出身の母親とブロンクス生まれの父親(2008年にがんで死去)の間に生まれたコルテス氏は、民主社会主義を掲げ、皆保険制度、米移民税関捜査局(ICE)の廃止、公立大学の授業料無料などを訴える。
コルテス氏のキャンペーンは「若者、第2言語として英語を話す人々、労働者階級、2つの仕事を掛け持ち、投票にも行けないような忙しい人々」へとリーチした。コルテス氏自身も予備選挙中は、ウエイトレスの仕事を続けながら、選挙活動を行った。
5月に公開された予備選用の広告では、収入は上がらない一方で、高くなる家賃や、サービスの悪化する健康保険に苦しむ労働者階級の状況を訴え、大きな反響を呼んだ。
「法人から利益を得て、この地にも住んでいない、子供たちをこの地域の学校に行かせてもいない。そのような人は我々を代表することはできない。」と予備選で対決したクローリー下院議員を非難。
コルテス氏は、このコミュニティー(クイーンズやブロンクス)は長らく置き去りにされており、住民には選択肢や指導者がいないとニューヨークタイムズに語っている。
It's time for a New York that works for all of us.
On June 26th, we can make it happen – but only if we have the #CourageToChange.
It's time to get to work. Please retweet this video and sign up to knock doors + more at https://t.co/kacKFI9RtI to bring our movement to Congress. pic.twitter.com/aqKMjovEjZ
— Alexandria Ocasio-Cortez (@Ocasio2018) May 30, 2018
大企業やハリウッドなどの民主党支持者による多額の献金は受け付けず、少額の個人献金で草の根活動を行ってきた。コルテス氏は、選挙期間中に約200万ドル(約2億2,700万ドル)もの活動資金を調達している。
米中間選挙 関連情報
今回の選挙では、史上最多の女性候補者が出馬し、90人以上の女性下院議員が当選している。さらに、ムスリムやアフリカ系、ヒスパニック系、先住民、LGBTQのマイノリティーが当選を果たした。
中間選挙が投開票され、全100議席のうち35議席が改選される上院では、共和党が過半数以上を維持。全435議席が改選される下院では、民主党が議席を伸ばし、過半数以上を獲得することが確実となった。下院で民主党が多数派を締めるのは8年ぶり。