「女性を排除してる」アディダス 新作水着のキャンペーンに非難の声

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アディダスが6月のプライド月間を前に発表した女性用の水着に、身体的に男性と見られるモデルを起用したことをめぐり、ネットで反発の声が上がっている。

同社は15日、南アフリカのクィアのデザイナー、リッチ・ムニシ(Rich Mnisi)とのコラボレーションによる「Let Love Be Your Legacy」と題した一連のコレクションを発表した。「スポーツや文化のあらゆる分野で、アライシップと偏見のない表現の自由を促進するという共通の志」のもと、水着やサッカー、サイクリング、スポーツウエアなど多彩なラインナップを揃えたとした。

中でも物議を醸しているのが、販売サイトの女性用のコーナーにある水着やサポートブラのページ。モデルの性別や性的指向を明らかにしていないが、身長や胸囲の説明に、性別を問わない代名詞「They」を使用している。

これに対して、インフルエンサーのオリー・ロンドンが、モデルの動画を添えて「アディダスが男性モデルを起用した新しい女性用スイムウェアを発表した」と投稿すると、コメントが殺到。「こうした企業についていけない。ボイコットが必要だ」「恥を知れ」「この男性も会社も、女性から高給の仕事を奪っているのだ」「不買リストに入るブランドが増えた」「こうしたことが顧客の大部分を遠ざけていることに、どうして気づかないのだろう」など、批判的な言葉が多く飛び交った。

ケンタッキー大学競泳チームのスターで、トランスジェンダーの女子種目への参加に反対するライリー・ゲインズは、「企業がなぜ自発的にこのようなことをするのか理解できない。せめてこの水着をユニセックスとすれば良いのにそうしない。なぜなら女性を排除するためだからだ」と非難。「女性の水着には、膨らみの飾りは施されていない」とツイートした。

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このほかにも「股間に余分な布のポーチをつける必要ない。つまりこの水着は私やほとんどの女性に向けたものではないということだ」といった声や、「どうやらアディダスは、バドライトの大失敗に学ばなかったようだ。GO WOKE GO BROKE(ウォークになると破綻する)の洗礼を浴びせる時だ」といったコメントも投稿されている。

米ビール大手アンハイザー・ブッシュの主力商品バドライトは先月、トランスジェンダーのインフルエンサー、ディラン・マルヴァニーを広告キャンペーンに起用した後、保守派を中心に不買運動が拡大。トップが釈明し、キャンペーンを主導した幹部2人が休職する事態に発展した。