21日から開催を予定していたラスベガスでのレジデントショーを、突然キャンセルした歌手のアデルだが、その理由を巡って、様々な憶測が報じられている。
アデルが公演中止を発表したのは、開幕の1日前。SNSに投稿した動画で、「配送の遅延」と「クルーやスタッフの半数が新型コロナに感染した」と理由を説明。ショーの開催は不可能で、「打ちのめされている」と涙ながらファンに謝罪した。
All dates will be rescheduled
— Adele (@Adele) January 20, 2022
More info coming soon
💔 pic.twitter.com/k0A4lXhW5l
公演は、4月中旬まで、シーザーズ・パレスで開催される予定だった。中止発表後、複数のメディアは、アデルと制作側の間に、確執が原因だと報じた。
TMZによると、ある情報筋は、公演中止は、新型コロナによるものではなく、舞台や合唱団、音響などに不満があったためだと語っている。
シーザーズ・パレスのスタッフは、開幕に向けて準備は整っていたといい、「なぜ最後の土壇場で、彼女が手を引いたのか分からない」と話したという。
なお劇場側は、公演中止の理由について、新型コロナには触れず、大規模なショーを作り上げるのは「極めて複雑」だと声明で述べた。
— Caesars Palace (@CaesarsPalace) January 21, 2022
舞台デザイナーと衝突?
英紙SUNは、アデルは、舞台のデザインに不満を抱いていたと報じた。当初、舞台に設置したプールの水の中で、浮かんで見えるような演出を計画してたが、最終デザインを見て「たるんだ古い池のよう」と述べ、セットで歌うのを拒否したという。
同紙はさらに、今回のショーを手がけた舞台デザイナー、エス・デブリン(Es Devlin)との確執を指摘。同氏は、2016年のワールドツアープロジェクトにも参加している。過去にビヨンセや、マイリー・サイラスの舞台も手がける大物として知られる。
ある関係者はSUNに、「アデルは、全てを完璧にしたいと思っており、既にナーバスな状態だった。舞台デザイナーとの仲違いが、アデルをパニックに陥れた」と明かした。
別の関係者は「アデルが、何を望んでいたのか明確でなかった」ことが問題との考えを示し、ショーの内容が「絶え間なく変更」されたことで、事態はカオス化したと話した。さらに、ミニマルな形式のパフォーマンスを好む傾向にあるアデルは、「大規模で派手なショーを開催するというプレッシャーを感じていた」と説明。演出方法をめぐり、「激しい議論が展開された」と語っている。
ファンからは不満の声
置いてきぼりを食ったのは、オープニング公演を見るため、国内外から現地入りしていたファンだ。突然の発表に、落胆や不満の声が上がった。
デイリーメールによると、チケット代は85ドルから1万2,000ドルで、ブラックマーケットでは3万ドルで販売されていた。
アデルを支持する声が上がる一方、過去にコンサートを急遽キャンセルした経緯から、本人の説明は、信じられないという意見も寄せられている。
アデルは中止発表後、ファンとFaceTimeを行ったり、チケット購入客に、トートなどのグッズを無料で提供したりするなどのフォローアップを行ったという。
再開時期について、SUNは、シーザーズ・パレスでは、ロッド・スチュワートやスティングなど大物アーティストが公演を控えおり、来年以降になる可能性があると報じている。