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アカデミー幹部 ビンタに「激怒」怒号飛び交う舞台裏

映画芸術科学アカデミーのトップが、ウィル・スミスの暴行に大激怒。平手打ち事件の「直後」に、授賞式から退場するよう求めていたことが分かった。

TMZによると、授賞式の舞台裏では、ウィル・スミスの広報担当者と「怒鳴り声」が飛び交い、「激しい議論」が交わされていたという。関係者の話として、式典を去るよう求めたのは、映画芸術科学アカデミーのデビッド・ルービン(David Rubin)会長と、ドーン・ハドソン(Dawn Hudson)CEOだったと報じた。

同団体は28日、ウィル・スミスの行為を「許容できない、有害な振る舞い」と断じ、「非難する」と表明。30日に発表した声明で、アカデミーの行動規範違反による懲戒手続きを開始したと明らかにした。4月18日に開催されるアカデミーの理事会で懲戒処分に処すことを決定した場合、資格停止や追放、その他の制裁を科される可能性があるという。

ハリウッド・レポーターによると、声明ではさらに「事態が予期せぬ形で展開した」としつつ、「状況に異なる方法で対応できた可能性があると認識しているが、われわれはスミス氏にセレモニーを去るよう求めたが、拒否されたことを明らかにしておきたい」と説明した。ただし、誰がに退出を要求したのか、明らかにしていなかった。

TMZは、ショーのプロデューサーは、ウィル・スミスに授賞式にとどまるよう求めたと報じている。関係者の話として、平手打ちが起きた35分後、ショーのプロデューサーを務めるウィル・パッカー(Will Packer)氏は、ウィル・スミスに歩み寄り、「出て行かないで欲しい」と伝えたという。その5分後、ウィル・スミスの主演男優賞の受賞が発表された。

なおパッカー氏はABCの番組で、ロサンゼルス市警は「スミスを、逮捕する準備をしていた」ことを明にした。クリス・ロックが、逮捕に「否定的」だったという。ウィル・スミスとは、直接話をしていないと述べるなど、情報は錯綜している。

ニューヨークタイムズによると、水曜日に開催されたアカデミーの理事会は2時間半におよんだ。情報筋は同紙に、業界各部門の理事らが授賞式での出来事に対する思いを話したと述べ、会合は「感情的」だったと様子を明かした。室内には「われわれの責務は、暴力を正常化しないこと」といった雰囲気が漂っていたという。

ウィル・スミスは謝罪を表明

ウィル・スミスは、女子テニスのウィリアムズ姉妹の父親、リチャード・ウィリアムズを描いた主演作「ドリームプラン」で、初の主演男優賞を獲得した。

受賞スピーチでは、涙を流しながら、暴力についてアカデミーと他の候補者に謝罪。リチャード氏が家族を守ったことに自身の振る舞いを重ね合わせ、「愛はあらぬ事をさせる」と弁明した。

世界200カ国以上に配信されるエンターテインメントの最高峰の祭典で、登壇者が有名俳優から暴行を受けるという前代未聞の事件に、各方面からは、ウィル・スミスやこれを許可したプロデューサー、ゲストに対する非難の声が上がっている。

アカデミーが28日に声明を発表した後、ウィル・スミスはインスタグラムでクリス・ロックや、ウィリアムズ一家に謝罪を表明。「暴力はどんな形であれ有害で破壊行為だ。昨夜のアカデミー賞の私の行動は受け入れ難いもので、言い訳もない」と過ちを認めた。

30日、クリス・ロックはボストンで開催されたコメディ・ショーで、初めてオスカーでの出来事に言及。「週末はどうだった?」とファンに問いかけ、会場を沸かせつつも、「起きたことは、まだ自分の中で整理しているところだ」と述べ、トークのネタにしなかった。なお、2人はその後、言葉を交わしていないという。

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