NY州 40%がワクチン接種を躊躇。黒人とヒスパニックで高い傾向

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ニューヨーク州のクオモ知事は5日の会見で、世論調査の結果を発表し、39%の住民が新型コロナウイルスのワクチン接種を受けるのを躊躇していると述べた。

接種が可能な場合、すぐに受けると回答した白人は78%だったが、黒人は39%、ヒスパニックとアジア系は54%と人種で異なることが分かった。クオモ氏は「ためらいが大きな障壁だ」と語った。

ニューヨーク州では現在、フェーズ1A(医療従事者)と 1B(エッセンシャルワーカー)、65歳以上がワクチンの接種対象となっており、これまでに220万回以上の接種が行われた。

  • 医療従事者でワクチンを接種したのは、白人63%、黒人10%、ヒスパニック10%、アジア系16%だった。(グループに占める割合は白人70%、黒人17%、ヒスパニック8%、アジア系11%)
  • エッセンシャルワーカーでワクチンを接種したのは、白人74%、黒人5%、ヒスパニック10%、アジア系7%だった。(グループに占める割合は白人75%、黒人17%、ヒスパニック14%、アジア系6%)
  • 65歳以上でワクチンを接種したのは、白人78%、黒人4%、ヒスパニック5%、アジア系8%だった。(グループに占める割合は白人77%、黒人13%、ヒスパニック12%、アジア系7%)

クオモ氏は、黒人やヒスパニックがワクチン接種を拒否する理由として、政府や医療制度への不信感を指摘。また白人と比べ、ワクチンへのアクセス機会が少ないことを挙げた。

ピッツバーグ大学は今週、米国の多くの地域では、黒人は白人よりも薬局や病院、診療所から遠く離れた場所に住んでおり、ワクチンへのアクセスが限られていると調査結果を発表している。

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クオモ氏は先月、集団免疫の獲得には、州民の70から90%が接種を受ける必要があり、ワクチン接種は「個人ではなく、コミュニティの義務だ」と語っていた。

「ワクチンへの躊躇は、事実と検証によって直接対処しなければならない」と述べ、黒人コミュニティの指導者や牧師、地域団体などと話し合い、情報を入手する」と話した。
また教会や低所得者向けの集合住宅、コミュニティセンターなどポップアップのワクチン接種会場を設け、接種を受けやすくする計画を明らかにした。

黒人とヒスパニックの多いニューヨーク市のブロンクスでは5日、ヤンキースタジアムにワクチン接種会場を設けた。ブロンクス在住の住民を対象に、初週は15,000人の予約を受け付ける。

クオモ氏はまた、2月15日より併存疾患や、基礎疾患のある住民にもワクチン接種を開始すると発表した。