新型コロナウイルスの感染爆発、都市封鎖へ

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ニューヨーク州で最初の新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは3月2日。感染は急速に拡大し、3月12日にブロードウェイの劇場や観光施設を閉鎖。クオモ知事は、22日より非必須事業の自宅待機を命じる「NY PAUSE」を実施し、街から人影が消えた
クイーンズのエルムハーストの病院には、感染者が押し寄せ「グラウンドゼロ」と報じられた。海軍の病院船「コンフォート」が到着し、ジャビッツセンターや全米オープンテニス会場への臨時病院の開設、セントラルパークの野戦病院、病院の横に設置された遺体を安置するための冷凍トラック、ハートアイランドに設けられた墓地など、パンデミックの被害の大きさを物語る衝撃的なニュースが話題となった。ピーク時の4月14日には、1日の死者数が1000人を超えた。
ニューヨークタイムズの集計によると、12月30現在のニューヨーク州の累計死者数は約3万7300人。累計感染者数は約95万人となっている。

最前線で戦うヒーローを街中が応援

医療従事者 拍手
4/13/2020 NYU Langone Health ©mashupNY

3月末から市内では、午後7時に医療従事者やエッセンシャルワーカーに、感謝の気持ちを伝えるキャンペーン#ClapBecauseWeCareが始まった。午後7時には各家庭の窓から拍手や、金物、クラクション、声援、シナトラの音楽「New York, New York」などが鳴り響いた。病院前では、消防隊員や警察官らが集まり、拍手やサイレンで医療従事者をたたえた。

クオモNY州知事、America’s Governorに

ニューヨーク州 クオモ知事
3/3/2020 Javits Center ©mashupNY

クオモ氏は、最初の新型コロナウイルスの感染者が確認された3月2日以来、感染が抑制された6月19日まで111日間連続で会見を行った。当初はストリーミング配信のみだったが、クオモ氏の会見は、データや科学的根拠に基づく明確な対策に加え、個人的なエピソードを交えたアドバイスが安心感を与えるとして評判となった。会見は5,900万人が視聴したと言われている。
老人ホームへの対応を非難する声も上がる一方、10月の世論調査では、ニューヨーク市民の73%がクオモ氏の対応を支持している。
国際テレビ芸術科学アカデミーは、クオモ氏に国際エミー賞ファウンダーズ・アワードを授与した

ブラックライブズマター運動が拡大

ブラックライブズマター
6/4/2020 George Floyd Memorial at Cadman Plaza , Brooklyn ©mashupNY

米ミネソタ州でジョージ・フロイドさんが警察官から首を押さえつけられ、死亡した事件後、ニューヨーク各所では連日激しい抗議デモが行われた。
人種差別への抗議活動「ブラックタイブスマター」は、警察部門の予算削減を求め、教育や住宅などコミュニティへの再分配を求める「デファンド・ポリス」運動に発展。7月の新年度予算成立前後には、市庁舎前の公園を1カ月間占拠する「オキュパイ・シティーホール」運動が行われた。結果、2021年度予算では、警察部門の予算が10億ドル削減された。NY州でも警察官の懲戒記録の保護廃止など警察改革法が成立した

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一方、デファンド・ポリスは急進的な考えだとして反発する声も強く、保守層の多いロングアイランドやスタテンアイランドなどでは、中道派が苦戦を強いられ、民主党議員が議席を落とすなどの影響も出ている

大規模な略奪・暴動、夜間外出禁止令へ

6/1/2020 SoHo ©mashupNY

ジョージ・フロイド氏死亡事件後に起きた抗議デモは一部が過激化し、広範なエリアで、デモに乗じた破壊や略奪行為などが相次いだ。取り締まりを徹底し、事態を迅速に収束するため、6月2日から市民に対する外出禁止命令が発令された。

高級ブランド店の立ち並ぶソーホー地区を始め、街の多くの店舗が略奪の被害に会った。防犯対策として、一時、街中の店舗がベニヤ板で覆われた。

ニューヨーク市警察は、この間、略奪や過激派とともに、平和的なデモに対しても強引な取り締まりを行ったことで、大きな批判にさらされた。

ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事、87歳で死去

ルース・ベイダー ギンズバーグ 最高裁判事
Supreme Court of the United States

ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事が9月18日、すい癌がんに伴う合併症により、ワシントンD.C.の自宅で死去した。87歳だった。
ブルックリン生まれのギンズバーグ氏は、女性として初めてハーバード大学の法学雑誌「ハーバード・ロー・レビュー」の編集スタッフとなったほか、米国自由人権協会(ACLU)で女性の権利プロジェクトを設立。コロンビア法科大学院で最初の女性教職員に就任した。1993年に当時のビル・クリントン大統領から最高裁判事に指名され、サンドラ・デイ・オコナー判事に次ぎ、史上2番目の女性最高裁判事となった。

デブラシオ市長は、ブルックリン区庁舎の建物にギンズバーグ氏の名前をつけると発表。クオモ知事はギンズバーグ判事の像を設置することを明らかにした。像は、来年3月の女性史月間に、ブルックリンのシティ・ポイントに設置される。

バイデン氏の大統領選勝利に歓喜の声

11/7/2020 Trump International Hotel ©mashupNY

大統領選から4日後の7日、各報道機関はペンシルベニア州でバイデン前副大統領の勝利が確実となり、当選に必要な選挙人270人を超えたと報じた。
民主党の支持基盤のニューヨーク市では、大勢が街に繰り出し、バイデン氏の勝利を祝福。星条旗や「バイデン/ハリス」だけでなく、メキシコやプエルトリコ、LGBTQ、ブラックライブズマターなど様々な旗がはためいた
なおトランプ陣営は現在も、郵便投票の拡大により、大規模な不正が行われたと主張。敗北を認めていない。

NY州の看護師、米ワクチン接種第1号に

12/14/2020 (Scott heins/Office of Governor Andrew M. Cuomo)

12月14日、米国ではファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンの接種がスタートした。ニューヨーク市クイーンズにあるロングアイランドユダヤ医療センターに勤務するICUの看護師、サンドラ・リンジーさんが、国内で初めてワクチンを受けた。リンジーさんは「辛い時期の終わりの始まり」と希望を語った。
一方、ニューヨーク市では、優先順位以外の人々に違法に配布するなどの問題も発生している。

ジュリアーニ元NY市長が暴走

11/29/2020 (vasilis asvestas / Shutterstock.com)

大統領選挙では、トランプ氏の弁護士を務める元ニューヨーク市長ルディ・ジュリアーニ氏が世間を騒がせた。バイデン次期大統領の息子、ハンター・バイデン氏のラップトップのデータをニューヨークポスト紙に持ち込んだほか、映画『ボラット2』へのカメオ出演や黒い汗おならゲート新型コロナ感染などが話題となった。
ネットでは、ジュリアーニ氏の栄光を描いた17年前のテレビ映画が、「意図しないおかしさ」だと注目が集まった。
大統領選の結果を覆そうと激戦州で訴訟を繰り広げる傍ら、YouTubeチャンネルで葉巻や金貨の購入を呼びかけるなど、最近はネットインフルエンサーとして活躍していることも判明した。

無観客イベント

メイシーズ花火大会 エンパイアステートビルディング
7/4/2020 Macy’s 4th of July Fireworks Empire State Building ©mashupNY

今年は、新型コロナウイルスの影響でセントパトリックスデーパレードからプライドマーチ、ハロウィンパレードなど大半のパレードやイベントが中止となった。
メイシーズ独立記念日花火大会は、各行政地区で打ち上げを行った。感謝祭の伝統行事メイシーズサンクスギビングデーパレードや、ロックフェラーセンターのクリスマスツリー点灯式、タイムズスクエアのカウントダウンイベントは、無観客で行われた。

アウトドアダイニングが定番に

デブラシオ市長は9月、アウトドア・ダイニングプログラムを恒久化すると発表。同プログラムは、店内飲食が禁止されている間、屋外で安全に食事を楽しめるとして人気となった。現在1万件以上の飲食店が参加している。市内の飲食店はコロナの影響で厳しい経営が続いている。歴代大統領が通うレストラン「21クラブ」や「コヨーテ・アグリー」、老舗酒場の「チャムリーズ」、人気ブランチ店「egg」、イーストヴィレッジの「Gem Spa」、キューバンチャイニーズ「La Caridad」、ソーホーの「Lucky Strike」などコロナ禍により多くの店が閉店した。Eaterによると3月中旬以降、9月下旬までに1,700店以上が廃業に追い込まれた。

発砲事件が急増。前年比2倍

Marco Curaba / Shutterstock.com

今年は、発砲事件が急増している。警察の発表によると、犯罪数全体は横ばいとなっているが、1月から11月までの発砲事件は1,412件で、前年同時期の721件に比べ95.8%増加した。
一方、憎悪犯罪(ヘイトクライム)は、前年より37%減の245件だった。これまでにコロナウイルスに関連するアジア人への憎悪犯罪は24件起きたが、16件が逮捕に至った。

デブラシオ市長や警察、議員らはパンデミックが要因の一つと主張。裁判所システムが正常に機能しなかったことや、感染の懸念から囚人を刑務所から一時的に解放したこと、刑事司法改革による保釈制度の改正、経済状況の悪化などの要因を指摘している。法律学の専門家は、抗議活動や、経済的および社会的、感情的な混乱が発砲事件の急増に影響を及ぼしている可能性があるが、具体的な要因は特定できないと語っている。