NY市 半日で13件の銃撃事件。1人死亡、少なくとも19人負傷

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ニューヨーク市では、19日深夜から20日午後にかけて、13件の銃撃事件が発生した。少なくとも1人死亡、19人が負傷した。

NBCニューヨークによると、銃撃はブロンクスで6件、ブルックリンで4件、クイーンズで2件、マンハッタンで1件発生した。
被害者の年齢は、16歳から47歳まで。このうちの一部は通行人で、流れ弾で負傷した。

死亡したのは35歳の男性で、20日午前11時頃、ブルックリンのイーストニューヨーク(East New York)で、洗車中に首を撃たれた。ニューヨーク市警察(NYPD)は映像を公開し、情報の提供を呼びかけている。

18日には、8件の銃撃事件が発生。1人が死亡、9人が負傷しており、NYPDはこれらの事件を調査している。

ニューヨークポスト紙によると、今月19日時点で97件の銃撃が発生している。前年の6月中の銃撃は89件だった。

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NYPDのダーモット・シエイ警察委員長は先週15日、私服警官の防犯部隊(anti-crime units)を即時解散すると発表。凶悪犯罪や銃暴力を取り締まる同部隊は600人が所属しており、別の部隊へと配置換えされた。

ミネアポリスの黒人男性、ジョージ・フロイド氏の殺害事件をきっかけに、全米では警察改革や、警察部門の財源を削減し、他の社会保障への再分配を求める「デファンド・ポリス」(Defund Police)の声が高まっている。

デブラシオ市長は7日、NYPDの財源を削減し、若者と社会福祉の分野に再分配すると約束した。さらに10日、銃暴力を減少するための危機マネジメントプログラム「キュア・バイオレンス」(Cure Violence)を拡大すると発表。デブラシオ氏は「銃暴力の発生を未然に防ぎ、紛争解決に非常に効果的であることが証明された」と述べ、1,000万ドルの予算を追加で投じる計画を明らかにした。ジャマイカやクラウンハイツなど犯罪の多い地域に、警察官ではなく「暴力を阻止する」よう訓練された人材を配置させる。

また、ニューヨーク市議会は、NYPDの予算60億ドルから、10億ドルを削減する計画を提出した。ブルックリンのエリック・アダムス区長は、5月に殺人事件が前年比で25%増加していることに懸念を示しつつも、予算削減案を支持している。