共和党上院議員11名、選挙結果認定に反対の意向

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テッド・クルーズ議員をはじめとする11人の共和党の上院議員は2日、共同声明で、1月6日の両院合同会議で、選挙人投票の結果承認に反対する意向を表明した。

声明には、テッド・クルーズ議員(テキサス)、ロン・ジョンソン議員(ウィスコンシン)、ジェームズ・ランクフォード議員(オクラホマ)、スティーブ・デインズ議員(モンタナ)、ジョン・ケネディ議員(ルイジアナ)、マーシャ・ブラックバーン議員(テネシー)、マイク・ブラウン議員(インディアナ)のほか、次期上院議員からシンシア・ルミス氏(ワイオミング)、ロジャー・マーシャル氏(カンザス)、ビル・ハガティ氏(テネシー)、トミー・タバービル氏(アラバマ)が加わった。

議員らは声明で、2020年選挙では、これまでの経験を上回る詐欺や不正の申し立てがあり、世論調査では39%の国民(共和党 67%、民主党17%)が、不正があったと信じていると説明した上で、民主主義のプロセスに対する深い不信が、次期政権の正統性に脅威をもたらし続けると主張。

過去の例を挙げつつ、議会で選挙委員を任命し、緊急で10日間の監査を実施するよう求めた。連邦議会は1877年、上院議員5名と下院議員5名、最高裁判事5名からなる選挙委員会を設け、問題となった州の結果を検討、決定したという。

監査が実施されなければ、問題となった州の選挙人投票は、合法的に認定されたものではないとして、拒否するつもりだと発表した。

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上院ではこれまで、ジョシュ・ホーリー議員が、1月6日の選挙人投票の結果認定に異議を唱える意向を表明している。

議会は1月6日に両院合同会議を開き、各州の選挙人投票の結果を集計する。この際、議員は書面で異議を申し立てることができる。審議に持ち込むには、少なくとも上下院各1名の署名が必要となる。

申し立てが認められると、上院と下院にわかれて2時間を上限に審議を行い、それぞれ採決を実施する。結果を覆すにはともに過半数の賛成が必要で、成功する見通しはほとんどないと考えられている。

議員らも声明で「ほとんどの民主党議員と数人以上の共和党議員が、別票を投じると予期している」と認めている。

CNNによると、これまで少なくとも140人の共和党の下院議員が反対表を投じる意向を示している。

選挙人投票への異議申し立てについて、共和党のベン・サッセ上院議員(ネブラスカ)はSNSで、「危険な策略」だと批判。同僚の議員らに加担しないよう呼びかけたと明かした。

サッセ議員は、公選職に就くすべての者は真実を告げる義務があるとした上で、選挙結果を覆す大規模な不正を示す証拠はないと説明。トランプ弁護団が、支持者に大規模な不正があったと訴る一方で、法廷で不正を主張しないのは、判事をミスリードすると深刻な罰則が与えられることを承知しているからだと指摘し、トランプ氏が実施しているのは、法的な戦略ではなく、実は資金集め戦略なのだと述べた。

不正の主張が限定的である場合は調査をするべきだとする一方、プロセス全体を台無しにしてはならないと主張。われわれは、具体的な証拠がないにもかかわらず、不正投票の「申し立て」があるという理由で、調査を要求するといった破壊的な悪循環に陥っていると述べた。

また「プライベートでは、選挙結果が不正だと主張する共和党議員は1人もいない」が、彼らは、トランプ支持者にどのように見られるかについて心配していると語った。

「長期的な危害を及ぼすことなく、大統領が築いたポピュリストの基盤をすぐに利用する簡単な方法があると考えている野心的な政治家が沢山いる」と述べ、「彼らは間違っており、この問題は個人的な野心よりも大きい。大人は、自治の中核に銃を向けてはならない」と批判した。

テッド・クルーズ議員とジョシュ・ホーリー議員は、2024年大統領選挙の候補者と目されている。

上院共和党トップのミッチ・マコーネル院内総務は、先月電話で行われた幹部会で、異議を唱えないよう呼びかけたと報じられた。また31日の電話会合では、共和党上院議員らに対し、投票は36年のキャリアで「最も重要な投票」になるとの見方を示したと伝えられた

ミット・ロムニー上院議員(共和党 ユタ州)は、マコーネル氏の発言は、投票は「民主主義に対するレファレンダム」になるとの考えを示したもの、と記者団に解釈を語っている。