亀裂は4歳から?ウィリアム王子とヘンリー王子の関係を描く暴露本「バトル・オブ・ブラザーズ」

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英王室のウィリアム王子と、弟のヘンリー王子の関係に焦点を当てた著書「バトル・オブ・ブラザーズ」(Battle of Brothers)が、21日発売された。

著者は、英王室歴史家のロバート・レイシー(Robert Lacey)氏。幼い頃からの2人を知るレイシー氏は、米ABCの「グッドモーニングアメリカ」に出演し、2人の確執やヘンリー王子の葛藤、王室離脱の背景などを語った。

ウィリアムは6、7歳の頃、自身の運命が王であることを意識し始めた一方、ヘンリー王子は4歳の頃、彼の道は兄とは異なることに気づいていたという。
レイシー氏は、車中での行儀を乳母にたしなめられたヘンリー王子が「僕はそうする必要がない。王にはならないんだから」と言い返したエピソードを明かした。

ヘンリー王子は、10代の頃には「ナンバーツーとして、コート・ジェスター(宮廷道化師)的な役割」が求められていることを理解していたという。

レイシー氏は「英国王室制度は非常に残酷だ。特に予備の者にとっては」と王位継承者以外の者が置かれる立場に触れた。この問題は今に始まったことではないとして、エリザベス女王の妹のマーガレット王女や、チャールズ皇太子の弟、アンドルー王子の名を挙げ「ヘンリも今、同じジレンマを抱えている」と語った。

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著書では、ヘンリー王子がナンバーツーとしての不満を募らせていた頃、メーガン・マークル氏に出会い、そこから解放される機会を得たと記している。

「ヘンリーは光り輝く女性と恋に落ち、刺激を受けた。彼は変わった。実際にはそうではないが、彼の内側にあった考えや緊張などは解決した。彼はそれ以上のことを望んでいたが、王室はそれにうまく対処できなかった」と王室側に問題があったとの考えを語った。

王室が2人を排除?

2人が「ロックスター」となり、「最初の数年間、ウィリアムとキャサリンの存在を目立たなくした」ことから、王室が2人を「排除する」決定を下したとレイシー氏は考えを語った。

昨年エリザベス女王が公開したクリスマスのあいさつでは、卓上にヘンリー王子とメーガン妃の写真はなかった。さらに2人の子供、アーチーちゃんへの言及はなかった。

この出来事について「(女王の)メッセージは明確だ。重要なのは女王の私、チャールズ、ウィリアム、そして幼いプリンス・ジョージだということ。–2人の立ち位置について、あなた方はバックアップだ。少し目立ちすぎている。王室での立場を理解なさいという潜在的なメッセージだったと思う」と語った。

The Sunは1月、ヘンリー王子とメーガン妃が英国を去り、カナダに移住する可能性があると報じた。

その後、2人はサセックス・ロイヤル(Sussex Royal)のウェブサイトを立ち上げたが、彼らの苛立ちから作られたものだろうとレイシー氏は推測している。

またインスタグラムで「王室離脱」を発表したが、王室側に計画は知らされておらず、「ウィリアムは特に理性を失った」と語っている。

離脱表明後、エリザベス女王は2人の将来に関する緊急家族会議、いわゆる「サンドリンガム・サミット」の開催を提案した。ヘンリー王子とチャールズ皇太子が了承したのに対し、ウィリアム王子は拒否したという。レイシー氏によると、ウィリアム王子が「交渉のために出席するが、同じテーブルに着くつもりはないと述べた」という。

この出来事を「決裂が決定的になった瞬間だったと思う」と振り返った。「王室側は”ヘンリーは約束を破った。話し合いを行うまで、機密にすべきだった”と主張する一方、ヘンリー側は、”漏らしたのは王室側だ。そのように振る舞うなら、私も同じことをする”」という具合だったのだろうと述べた。

王室の対応は「大きな過ち」

著書では、英王室がメーガン妃の強い個性や、女性解放運動や社会改革など、彼女が主張する現代社会の考え方に適応する準備ができていなかったと指摘している。

インタビューで、王室の体質について「考え方は極めて古めかしく」「依然として男性中心的な考え方があり、若く、自分の意見を持った自立した女性に、慣れていないのだ」と批判した。

また、混血のメーガン妃とその子供を受け入れることができなかったのは「大きな損失」と主張。「われわれは、君主が多様な人種の国家のトップとなることを誇りに思っていた」と述べ、メーガン妃との関係を失ったのは「大きな過ちだ」だと指摘した。

Battle of Brothers: William and Harry – The Inside Story of a Family in Tumult (英語) ハードカバー

2人の今後については「ウィリアムが歩み寄り、心から和解や謝意を伝えようとしない限り、物別れに終わるだろう。残念だが、ある種の二極化した君主制になる」と予測。「その責任は、ウィリアムにかかっていると思う」と語っている。

来年7月1日、ダイアナ元妃の生誕60年を迎える。彫刻を披露するため、2人の王子はロンドンで再開する予定だという。「多くの人が思っているだろうが、かつての2人に戻って、お互いを受け入れてほしい」と希望を述べた。

著書の最終ページには、「ダイアナがこの世に生き返ったら、少年たちに何とアドバイスするだろうか?彼女はきっとこう伝えるだろう。ソーシャル・ディスタンスの時間は、もうおしまいです。あなたたち、お互いに話し合いなさい」と記されているという。