「記者会見ではなく、証拠を」 トランプ陣営に党内から批判

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ルディ・ジュリアーニ氏率いるトランプ陣営の弁護団が記者会見を行った翌日、チェイニー元副大統領の娘で、共和党下院ナンバー3のリズ・チェイニー下院議員は声明で、トランプ弁護団は「直ちに証拠を示す義務がある」と述べ、証明ができない場合は、選挙結果に従うべきだと主張した。

チェイニー議員は「アメリカは法の支配による国だ。大統領と彼の弁護士らは、選挙の結果に影響しうる犯罪と大規模な詐欺を主張している。本物の証拠を持っているならば、裁判所と国民の前にただちに提示する義務がある」と主張。続けて「大統領が30以上の訴訟を提起していることはわかっている。これらの訴訟の結果に満足がいかないのならば、上訴するのが適切だ」述べ、「疑惑を証明することができない、またはそれが選挙結果を変えることを示せないのならば、米国憲法を維持、守るために、選挙プロセスの尊厳を尊重して、誓いを果たすべきである」と語った。

選挙から2週間以上が経った19日、ジュリアーニ氏らは「冒頭声明」と称した会見を実施。選挙に関する様々な疑惑を改めて持ち出し、トランプ氏には「勝利への明確で実行可能な道筋がある」と訴えた。

トム・コットン上院議員(アーカンソー州 共和党)はFoxニュースのインタビューで、記者会見をする時ではないと主張。「ルディ・ジュリアーニと大統領の弁護士らは、全国で複数の訴訟を起こしている。政治家や記者会見をする時ではないところまで来ている」と述べ、「これは選挙期間中のことだ。今は裁判で証拠を示す時だ」と語った。

デンバー・リグルマン下院議員(バージニア州 共和党)はThe Hillに、会見に参加したシドニー・パウエル弁護士の主張を「歴史的なペテンを見させられているように感じる。金儲けの企みのようだ」と批判しつつ、「こういった類の馬鹿げたオルタナティブファクトをべらべらとしゃべると、それを信じてしまう人がいるのだ。共和党の全員が立ち上がって、”もう十分だ”という時だと思う」と語った。

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パウエル氏は会見で、ドミニオン社の投票システムによってトランプ氏の票が変えられた可能性があると主張。ベネズエラでウゴ・チャベスの指示によって開発されたソフトウエアを使用されていると述べたほか、企業はジョージ・ソロス氏、クリントン財団とのつながりがあるなどと語った。

パウエル氏は、ソフトウエアの開発をよく知る人物の宣誓証言書があると述べたものの、不正が行われた証拠は提示しなかった。Foxニュースの司会、タッカー・カールソン氏は自身の番組で、電子投票の危険性を主張するのは正しいとしつつ、パウエル氏はトランプ陣営の関係者にさえ、証拠を提示していないと、疑惑に疑問を呈した。

アンソニー・ゴンザレス下院議員(オハイオ州 共和党)は、パウエル氏は「常軌を逸している」と非難。「シドニーパウエルの主張は、どういっていいかわからないが、常軌を逸している。共産主義の金やウゴ・チャベスがドミニオン投票システムを不正に操作して、数十年にわたって数百万票を覆していたという主張をしたいならば、もっと十分な証拠を用意した方がよいだろうが、これに近いものでさえ、提示していない。」と語った。