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警察暴力への抗議デモ、支持率が低下、米世論調査

最新の世論調査によると、5月のジョージ・フロイドさん死亡事件をきっかけに全米に拡大した警察暴力への抗議デモに関して、人々の支持が低下していることがわかった。

調査はAP通信とNORC Center for Public Affairs Researchが9月11日から14日にかけて、全国の1,108人の成人を対象に実施。誤差幅はプラスマイナス4ポイント。

調査によると、デモを支持すると答えたのは39%で、6月の54%から大きく減少した。

また警察が黒人を不公平に標的にしていると考える人々の割合も低下したほか、警察暴力がより大きな責任を伴うべきと主張する人々も減少した。

さらに、警察官が、殺傷能力のある武器を黒人に使用する可能性がより高いと考える人は、61%から50%に減少。職務に関連してけがまたは死亡させた警察官に対し、司法制度は寛容すぎるという意見は65%から52%に低下した。

人種、支持政党で隔たり

これら意見の変化は、白人と共和党支持者の間で顕著だった。

白人で抗議デモを支持するのは35%と少なく、不支持は50%だった。ジョージ・フロイド事件後の6月の調査では支持53%、不支持34%だった。

なおヒスパニックでは、31%が支持(前回44%)、黒人は63%(前回81%)が抗議デモを支持していると答えた。各人種で支持が低下する一方、どちらでもないの割合は増加したという。

黒人の84%、白人42%、ヒスパニック50%が、警察官が殺傷能力のある武器を、黒人に対して使用する可能性がより高いと答え、けがや死亡させた警察官の対応については、黒人の74%、白人の47%、ヒスパニックの50%が、現在の司法制度は寛容すぎると答えた。

政党別では、共和党支持者の75%が抗議デモに不支持を表明。6月の56%から不支持が大きく増加した。一方、共和党で抗議デモに支持を表明したのはわずかに9%(前回29%)だった。また、抗議デモのほとんど、またはすべてが暴力的と考えている共和党支持者も増加した。

これとは対象的に、70%の民主党支持者が抗議デモを支持。約半数は、抗議活動のほとんどまたはすべてが平和的だと答えた。

ミシガン大学のクリスチャン・ダベンポート教授は、白人の間で支持率が大きく弱まっていることについて、「共感疲労」が広がっていると、FOX5に説明している。またイリノイ州在住のある一般人の白人男性は、6月には支持していたが、暴力や放火、略奪によってデモが台無しになるのを見て、評価が悪いものに変わっていったと述べた。

ブリオナ・テイラーさん射殺の警察官、殺人の責任問われず、抗議デモが再燃

今年5月、ジョージフロイド氏死亡事件をきっかけに、人種差別や警察暴力の撲滅を求める抗議デモが全国に拡大した。問題意識の高まりは、フロイドさんだけでなく、3月にケンタッキー州ルイビルで家宅捜査に入った警察官に射殺された黒人女性ブリオナ・テイラーさんの事件について、正義を求める声につながっていった。

ケンタッキー州の大陪審は昨日、テイラーさん宅で発砲した3人の警察官のうち1人を起訴する決断を下したが、訴因は、テイラーさんを死亡させた責任を問うものではなく、家宅捜査の際に隣家に発砲し、隣人を危険にさらした罪に関するものだった。さらに2人の警察官は起訴されなかった。

警察官が死亡させた罪に問われなかったことから、大陪審の発表後、全米各地で抗議デモが行われた。ルイビルではデモの最中に警官2人が打たれる事件が発生した。ニューヨーク市内でもデモ集会が深夜まで行われた。

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